国防政策 2010 4 10
沖縄の普天間基地の移転問題を巡る議論は、
大部分が、土木工事的な視点で、
あるいは選挙対策的な視点で議論されており、
国防上、あるいは安全保障上、必要かという視点では、
まったく議論されていないように見えます。
これは、戦後、
「日本は商売に専念し、安全保障はアメリカに丸投げ」という状態が、
長年、続いてきましたので、
多くの日本人どころか、政治家までも、
国防や安全保障には思考停止の状態になってしまったからです。
しかし、普通の国ならば、
国防や安全保障は、政治家にとっても、国民にとっても、
重要な関心事です。
まだ、日本は、戦後が終わっていないのです。
「もはや戦後ではない」という言葉を聞いたことがありますが、
これは、経済の分野に限定した言葉でしょう。
沖縄と中国 2010 3 27
最近、日本国内では、
沖縄の海兵隊基地の問題で大騒ぎとなっています。
この問題に関しては、一見、無関心を装っている中国も、
本当は、手に汗握るような思いで見ているでしょう。
もし、将来、気候変動や自然災害がなかったら、
中国は、経済的にも、軍事的にも世界最強の国となるでしょう。
そこで、もし、あなたが中国の軍事指導者だったら、どう思うでしょうか。
まず、机の上に、世界地図を広げてみる。
千島列島や樺太がロシア領であるように、
台湾や南西諸島が中国領であっても不思議ではないと思うでしょう。
(ここでは、南西諸島とは、西表島から種子島までと定義します)
ただし、これは妄想に終わるでしょう。
現在のところ、日本は、アメリカに次ぐ経済大国で、
沖縄には、世界最強のアメリカ軍が駐留しているからです。
しかし、将来、日本経済が衰退し、
アメリカ軍が沖縄から撤退した時、
このような妄想は、現実のものと変わるでしょう。
アメリカが発展する時、
アメリカの国力は、西へ拡大してきたのです。
東海岸から西海岸へ、
西海岸に達すると、次は、ハワイ。
戦後は、ハワイから沖縄まで拡大したのです。
中国が発展する時は、東へ向かうでしょう。
東シナ海、東太平洋、ハワイ。
中国が東へ拡大する時、南西諸島は、ちょうどよい橋頭堡となるでしょう。
半島や諸島(列島)は、海の勢力にとっても、陸の勢力にとっても、
必ず、橋頭堡として使われることになるのです。
そういうわけで、半島や諸島(列島)に住む人たちは、
賢く生きなければならないのです。
つまり、常に国際情勢に敏感である必要があるのです。
沖縄は、囲碁で例えれば、
どうしても自分の石を置きたい場所にあります。
誤解のないように書きますが、
以上の文章は、あくまでも軍事的・地政学的観点から書いたものです。
現在、日本と中国が目指しているところは、
経済発展や経済的な繁栄です。